国立劇場開場50周年記念 通し狂言 一谷嫩軍記@国立劇場
しかも、一日で全部見ようとすると第一部が午前11時から午後3時30分。
第二部は午後4時から午後8時20分…とほぼ10時間くらいになるんですよ…><
以前にそうやって見たことあるんですが、ほとんど座っていることになるので結構しんどいし、膝が固まってしまって辛いんですよね(悲)
今回は、二日に分けて鑑賞してきました♪
通し狂言となっていますが、今回の上演はお話の全部ではありません。
なぜなら、このお話の立作者の並木宗輔が三段目まで書いて亡くなってしまい、他の作者たちが四段目以降を書き継いだものの完成度の差があって四段目を含めた全通しは昭和59年以降行われていないそうです。
今回もまた、三段目までの上演です。
とは言うものの、国立劇場で上演されるのが昭和50年2月公演以来、41年ぶりというもの(堀川御所/敦盛出陣/林住家/弥陀六内)もあるので、貴重な機会となっています。
第一部
通し狂言 一谷嫩軍記
初段 堀川御所の段/敦盛出陣の段
二段目 陣門の段/須磨浦の段/組討の段/林住家の段
久しぶりに文楽を見に行った感じなんだけど、太夫さんたち随分入れ替わっちゃったのねーってしみじみ思ってしまった…。
人間国宝の竹本住太夫も竹本源太夫も豊竹嶋太夫も引退されていないんです。
切り場語りは豊竹咲太夫しかいない…とっても寂しい感じがします。
でも、その分若手に役がまわってくるってことだから、長い目で見ると仕方ないのかな…。
年齢を重ねると声も変わってきますよね。
いろんな役をやるので、あまり声にハリがあってもね…。
ちょうどよく響いてとおる声って40歳から50歳くらいで、それ以降は技術力がまさってきて、聴かせる声になるのかな…ってイメージなんだけど…。
一人で何役もの声を演じるって部分では落語と同じで、落語は口語なのでわかりやすいし、義太夫のような節まわしみたいなものがない感じかな。
そして、朗読のような感じでそれぞれの頭の中で映像をイメージして話を聴くって感じ。
文楽はどちらかと言うと芝居を見ているような感じに近くて、太夫の語りの世界に入り込むと人形が自ら動いているように感じてくるんですよね。
別の日に第二部を見に行きました。
第二部
通し狂言 一谷嫩軍記
三段目 弥陀六内の段/脇ケ浜宝引の段/熊谷陣屋の段
寿式三番叟
寿式三番叟って、何だか好きなんですよねー。
新春などのおめでたい時に演じられる演目で、能舞台になっています。
二人の三番叟がズンチャン、ズンチャン…と袖を振って踊り、鈴を持って種を蒔く仕草をしながら舞台の四方を巡り、ちょっと愛嬌のある感じが面白いんです。
ズンチャン、ズンチャン…が頭に残るんだけどね…^^;
人形さんも若い方が遣られていて、どんどん若返っているのねーと驚くと同時に随分上手くなったな…なんて、偉そうに見てしまいました^^;
途中、三味線にトラブルがあったのか?鶴澤寛治さんの三味線を隣の鶴澤清志郎さんの三味線と交換して、清志郎さんが調整していました。
生の舞台、何が起きるかわからないのねー。
第二部は夜。 お腹がなっては大変なので、幕間に文楽弁当を頼んでおきました。
休憩は30分なのでちょっとせわしないですが、食堂でいただきました。
一谷嫩軍記は、通しでみるとちょっと腑に落ちない部分もあって難しかった…><
組討の段で、直実が敦盛を討った…となっているのに、熊谷陣屋の段では敦盛の首ではなく息子 小次郎の首になっています。
物語を見ていても何処かで入れ替わったような話は出てこないのよ…。
今までは熊谷陣屋の段だけを見ていたので、いろんな意味で感動的な場面だったのですが、組討の段と続けて見てしまうと疑問が…。
あとで解説を読んだら陣門の段ですり替わってるんです。
…が、ここでわかるように表現してしまうとラストの驚きがなくなってしまうので、あえて表現していないそう。
つまりここまでは作者の思い通りだったんだけど、ラストの理解力が足りなかったってことみたい^^;
途中の宝引の段は、チャリ場の典型のような感じで笑いましたー。
今風なアドリブも入って、なかなか笑わせてくれました^^
次回の東京公演は、12月。
またまた通し狂言 仮名手本忠臣蔵 です!!
歌舞伎も10月から3ヶ月連続で完全通し上演だそうです。
文楽の忠臣蔵は通しで見た事があるんですが、かなり長かったんですよね(疲)
今年は分けて見ようかな。 忘れずにチケット取らないとね^^
by wvyumavw
| 2016-10-02 12:00
| イベント・観劇